健康な歯とむし歯の違い
自分の歯を鏡でじっくり見ても、むし歯になっているようには見えないのに、歯医者さんは健康な歯とむし歯を どのよう に見分けているのでしょうか？
今回は歯科医師がどのようにむし歯を見つけ出しているのかをご紹介いたします。
● ヒアリング
患者様からお口の状態をお聞きします。どの部分がどんな時に痛みが出る、しみるなど気になることをヒアリングし、お口の検査をする際にその部分を念入りにチェックしてむし歯の原因を探す手掛かりにします。
● 見た目の変化
初期むし歯は健康な歯に比べると、むし歯になった 部分が少し白濁しています。じっくり観察してみると自分でも発見できる場合があります。
むし 歯が進行すると、 その部分が黒くなったり、穴があいてしまったり、肉眼でも はっきり 確認 することができ るようになりま す。 このようになってくると 刺激がしみたり 、痛みが出たりします。
● 触って確認
実はむし歯になった部分は、柔らかくなっています。
先のとがった器具でむし 歯が疑われる部分をカリカリこすってみると、 柔らかくなっているところは 引っかかるような感触があります。
● レントゲン検査
表面からは見えない歯と歯の間や、被せ物・詰め物の下に隠れているむし歯は、お口のレントゲン写真から発見することができます。
お口のレントゲン写真では、むし歯になってしまった部分が黒っぽく映ります。レントゲンから、むし歯が疑われる個所が見つかれば、その部分をしっかり確認いたします。
● う蝕検知液での確認
むし歯を染め出す「う蝕検知液」という液体で、むし歯がどこまで進行しているのかを確認することがあります。
このようにむし歯を見分ける方法は様々です。歯科医師は専門的な知識や経験と、患者様の歯の特徴やこれらの確認方法を組み合わせてむし歯を見つけ出します。
むし歯の初期段階では、見た目の変化や痛みがほとんどなく、ご自身で見分けることは難しいです。また被せ物・詰め物の中や、歯と歯の間で進行しているむし歯の場合は、被せ物や詰め物が外れてしまったり、症状が出ないと肉眼ではなかなか発見できなかったりします。症状が出てしまった段階では、むし歯はかなり進行しています。
初期むし歯を発見できた場合は、削らなくても治療できる可能性があります。
ご自身の歯を失わないためにも、「歯が痛くなってから歯科医院へ行く」のではなく、痛くなる前に定期健診で歯科医院に通って予防をしていれば、痛い思いをすることがなく、削られることもないので、大切な歯を長く使い続けることができます。
