噛むと幸せ⁉噛むことの効果
過去のコラムでも噛むことの効果についてご紹介しましたが、近年注目されているのが「噛むと幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が多くなる」ということです。
今回は、噛むことの効果のおさらいと、噛むこととセロトニンの分泌の関係についてご紹介します。
噛むことの8大効用
まずは、噛むことの効果をおさらいしましょう。噛むことはお口周りだけでなくからだにも関わっています。よく噛むことの8大効用を示す食育標語「ひみこのはがいーぜ」をご紹介します。お子様がいらっしゃる方は、一緒に楽しく覚えてくださいね。
ひ:肥満を防ぐ
み:味覚の発達
こ:言葉の発音がはっきり
の:脳の発達
は:歯の病気を防ぐ
が:がんを防ぐ
い:胃腸の働きを促進する
ぜ:全身の体力向上と全力投球
噛むこととセロトニンの分泌の関係
現代人は夜更かしや運動不足、ストレスなど、不規則な生活でセロトニンが分泌されにくい環境に取り巻かれています。セロトニンの分泌が減少すると、落ち込みがちになったり、うつや集中力の低下などメンタル面での様々なトラブルを引き起こしてしまう原因になります。セロトニンの分泌を促すには、日光を浴びたり、規則正しい生活、ウォーキングなど一定のリズムで行う「リズム運動」が挙げられますが、実は噛むことも「リズム運動」に当てはまります。
セロトニンの分泌は、リズム運動を始めて5分ぐらいから徐々に濃度が高まり、20~30分後にピークに達し、2時間ほどその状態が続くそうです。そのためには、スマホやテレビを見ながらではなく、噛むことを意識して疲れない程度に行いましょう。1日3食と1~2回の間食で実践することで、ほぼ1日中効果が維持できます。
戦前の食事で噛む回数は1420回で約22分だったのに対し、現代の食事で噛む回数は620回で約11分と、噛む回数、食事時間とも半減しているという報告があります。
少し食事の時間に余裕をもって、噛み応えのあるものを取り入れ、よく噛んで食べることで、その後の勉強や仕事、家事などがはかどるかもしれませんね。
もちろん、噛むことだけでなく、日光を浴びたり規則正しい生活や適度な運動なども心がけましょう。
また、よく噛んで食べるためにはお口が健康であることが重要です。虫歯や歯周病などお口のトラブルはしっかり治療しましょう。お口が健康な方は今の状態が維持できるように歯科定期検診を受診しましょう。歯科医院に通う習慣を身につけると、虫歯や歯周病の予防ができ、自分の歯の寿命を延ばすだけでなく、お口からからだの健康寿命を延ばすことにもつながります。
自分の歯で生涯幸せに暮らせるよう、当クリニックで一緒に予防歯科に取り組みましょう。
下記コラムでも、よく噛むための工夫や噛む効果についてご紹介していますので、併せてご覧ください。
参考
ロッテ 噛むこと研究室 https://www.lotte.co.jp/kamukoto/brain/924
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html
(財)8020推進財団 Let’s8020 https://www.8020zaidan.or.jp/8020poster/